Dash


 Destroy


 Dream


 Dから始まる3つの単語
 これらは俺自身を表している気がする


 【Dash】
 走ることが好きだ。
 中学、高校と陸上に入っていた。
 結果は残せなかったけど、仲間達との練習の思い出は一生忘れない。
 今も走っている。夜中ではあるけれど。
 やっぱり走るのはやめられない。


 【Destroy】
 破滅。
 時に壊れることがある。
 いつまでも走っていけるわけではない。
 いつ、どこで転ぶかもわからない。
 それは自分が原因であったり、周りに原因があったり・・・。
 鬱。
 落ち込む。
 落ちていく。
 どこまで落ちていくのか、底なしの穴。
 死を考えてしまう。
 自殺。
 怖い。
 恐い。
 コワイ。
 やっと底にまで落ちる。
 しかし
 そこは
 出口のない迷路だった。
 闇に取り込まれる。
 「コノママデハイケナイ」
 しかし
 体が動かない
 「ドウデモイイヤ」
 「コノママデハイケナイ」
 「ドウデモイイヤ」
 「コノママデハイケナイ」
 無限ループ。
 視力
 聴力
 声
 感覚器官がどんどんと蝕まれていく。
 誰か
 た す け   て
 ただ時間だけが無情に過ぎていく


 【Dream】
 あるとき、同じ道でも違う視点からみると
 まったく違う道に感じられた
 あれ?
 他にも色々と試してみる
 どんどん発見していく
 あれ?
 なんで俺はこんなところにいるんだ?
 どこかはわからないけれど
 どこかで何かが一瞬光った
 あれ?
 なにをそこまで悩んでいたんだろう
 目の前の壁にヒビがはいる
 いや目の前だけではないことに気づく
 迷路の壁という壁にヒビが入っている
 そうか
 ボクは握りこぶしを作り壁を思い切り殴る
 思っていたよりも簡単に壁を壊すことができた
 いや、むしろ
 ヒビがはいっていなくても壊せたんじゃないか?
 ボクは前に進み、目の前の壁を壊していく
 壊していくたびに
 どんどん何か忘れていたものを思い出していく
 どうしてボクはこんなにも大切なものをたくさん忘れていたのだろう
 いや、そうじゃない
 思い出すことができてよかった
 あの時に絶望に負けて、自らの命を落とさなくてよかった
 そうして最後の壁をぶちやぶる
 その先は・・・
 白
 白の世界だ
 振り返るとずっとボクがさまよっていた迷路がどんどん壊れていった
 階段がある
 それをどんどんと駆け上っていく
 壁を壊しまくって、体が疲れているはずなのに
 なぜか体が軽い
 勢いで最上までと一気に駆け上った
 ひさしぶりの外界
 これが世界なんだ
 360度見渡す
 しっかりと大地に立つ
 ここちよい風を感じ
 水平線の先を見つめる
 だんだんと体が心が熱くなってくる
 生きてる
 また
 ボクは走っていける
 ゆっくりと走り始めた