ドリパ短編#015「BLUE」

知らなくてもいい現実がある。
でもそれは価値観の1つにすぎない。
俺はなんでも知りたい。
そして後悔した。






午前6時に起床して、家を出た。
ふと空を見上げる。
青い。
今までも、そしてこれからも。
だがいつか壊れる。




適当に電車に乗って降りて
ゆっくりと見知らぬ街の道路を歩く。
道路のど真ん中。
黒猫が20m先からこちらをみている。
避けようと思う前にネコが道をあけてくれる。
それでも顔だけこちらを向けている。
後ろは見ていないのでわからないが
なんとなくネコの視線を背中に感じていた・・・。




気がついたら、とある家の前に来ていた。
俺はこの家を知っている。
『直接来る』のは初めてだが・・・
玄関が開き、制服を着た女の子が飛び出してきた。
ぶつかる。
「あ、ごめんなさい。
俺の方が悪いと思うのだが、反射的に謝ったのだろう。
「いや、悪いのは俺だ。
「その声・・・ジェイ?!
女の子・・・エリカは俺の顔を見た。
そうか『一応』初対面になるか。
「ああ。
「へぇ・・・姿変えなくてもいいじゃん。ルックスは私的にはOKよ。
 てかなんでここにいるの??
「・・・
現実世界でもなにひとつ変わらない彼女をみる。
「・・・!
 ・・・なによ?!
エリカは体をびくっとさせて強張らせる。
「なんでもない・・・それより急いでいたんじゃないのか?
「あーーーーーーーーーーーー、今日は試合なんだ。剣道の。んじゃまたね。見にこれたら見に来て。場所わからなかったら、お母さんに聞いて。じゃあまたね。
早口でしゃべりながら、走り出していった。
エリカが見えなくなるまで俺はその場にいようと思った。
角を曲がり見えなくなった。
しばらくして俺は家に帰ることにした。
家にいる妹に心配させたくなかった。
ケータイを家に忘れたので連絡いれられなかった。




8時30分。
妹はまだ眠っていた。
余計な心配だったか。
今日は土曜日。
ベランダからまた空を見上げた。
いつもならタバコを吸っているところだが、
今はこの空を汚したくないと思い吸わないことにした。





この空はどこまでいつまで続くんだろうか・・・。











朝食を作るために部屋に戻った。