木漏れ日を浴び、手ごろな木を背に座る。
ここは現実世界なのか、精神世界なのかよくわからない。
『具現』ができないからといって現実世界とは決め付けられない。
もしかしたら『部屋』の『ルール』の1つかもしれないからだ。
だとしても俺の実力ならそんなルールは無視できるが、
もしカウンセリング途中であるならば患者の負担となってしまう・・・。
目が覚めてからずっと考えている。
記憶が曖昧である。
どうして俺がこんな森の中にいるのか。
とても大事なことを忘れている気がするが、
思い出そうとすると頭痛がひどくなる。
まずは現状把握をしなければ・・・。
とにかく行動することにした。
森の規模がわからないので、このままでは遭難しかねない。
いやすでに遭難しているのか・・・?
滑稽であると感じ自分を鼻で笑う。
周りを見渡すとタイミングよく近くで煙が上がり始めた。
狼煙・・・。
その煙の元へ移動しはじめた。
もちろん移動中でも警戒はといていない。
格闘技をもっと極めればよかったな・・・だがあいつに教えてもらうのは無理だ。
俺のプライドが許さない。
手ごろな木の枝をナイフ代わりに進む。
狼煙のところまで来た。
ヒトが2人いる。
100メートル先で俺は確認した。
・・・50メートル。
素人か?
顔を目視する。
見覚えのある顔だった。
クドとレア・・・?
しかし格好がおかしい。
ゲームのRPGで出てくるような中世の平民・・・冒険者といった格好だ。
談笑している。
一人は高校生くらいの男子。剣を持っている。
もう一人は女の子。
男と同い年っぽいがなんとなく年上だと思った。
といっても2,3歳くらいだろうが・・・。
こいつらゲームのロールでもしているのか?
だが名前を聞いて別人であると判断した。
男はゼット。
女はノドカ。
とりあえず合流す
!?
ドン
ちっ・・・俺としたことが。
反射的に相手の攻撃を前方に跳びかわし、体勢を整える。
俺を攻撃したのは熊・・・クマ??
あぁ・・・いや・・・???
とても愛嬌?のある顔だ。
・・・。
一体なんなんだこの世界は・・・。
俺を襲ったクマは蜂の巣をとろうと頑張っている。
しかし手が短くて届かない。
蜂の巣をとってやった。
お礼にということで肉球を触らしてくれた。
俺は気の済むまでとことんプニプニしまくった。
HAHAHA
あれ?
目から汗が止まらないよ。
・・・俺は苦悩した。